- 残業したい人はなぜそう思うのか?
- 残業したい人がいることで起こる問題
残業は好きですか?
おそらく会社勤めしている多くの人は、残業は好きじゃないし、できればしたくないと思うものですよね。
しかし、なかには自ら進んで残業をする人も一定数います。
残業したいと思う理由は、主に下記の4つが考えられます。
- 経済的事情(お金が欲しい)
- 家庭の事情(家に帰りたくない)
- 単純に仕事が好き
- 残業する=仕事ができるという勘違い
今回は、この4つの理由を基に
「なぜ、残業をしたいと思うのか」
ということについて、残業したい人の気持ちになって内容を掘り下げていきます。
そして、自ら進んで残業したい人がいることによって、どんな問題が起きてくるのか、一緒に考えてみましょう。
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なぜ、残業をしたいと思うのか?4つの理由
冒頭でお話した4つの理由
- 経済的事情(お金が欲しい)
- 家庭の事情(家に帰りたくない)
- 単純に仕事が好き
- 残業する=仕事ができるという勘違い
これらについて掘り下げていきます。
経済的な理由(お金が欲しい)
残業したい理由といって真っ先に挙げられるのは間違いなくこれでしょう。
経済的な理由(お金が欲しい)
例えば、自ら進んで残業をする人に対して「なんで、そんなに残業をするんですか?」と聞いてみたとします。
おそらく、多くの人が「仕事が終わらないから」と答えるはずです。
でもそれは表面上の理由で、もっと根本の理由は
「貰えるお金が増えるから」
ですよね。
- 生活を豊かにするため
- 欲しいものがあるから
- 借金がある
- 純粋にお金が好き
このように、お金が欲しいと思う理由は人それぞれです。
でも、あまり残業代に執着していない人からしたら、自ら進んで残業しようとする人の存在は迷惑極まり無いことでしょう。
では、残業代を廃止すれば良い?
そういうわけにもいきませんよね。
具体的に、残業をするとどれくらい給料に影響するのか
『月収25万円・稼働日数20日』で簡単にシミュレーションしてみます。
- 日給 ⇒ 稼働日20日で割ると12,500円
- 1時間あたりの単価 ⇒ 1日8時間で割ると1,560円
- 25%割増単価(残業単価) ⇒ 1,950円
- 1日1時間残業×20日 ⇒ およそ39,000円
1日1時間残業を毎日すると、1ヶ月で39,000円の差が出てきます。
仮に1年継続したとすると468,000円
毎日1時間残業するだけで、年収47万円アップです。
ちなみに、36協定の限度である45時間残業をすると1ヶ月でおよそ8,8000円
1年続けると105万6,000円
毎月残業を45時間すれば、年収105万円アップです。
年収300万円の人ならそれが400万円に膨れ上がります。
そりゃあ残業したいって人が出てきてもおかしくないですよね。
家庭の理由(家に帰りたくない)
家に帰りたくない理由がある人の中には、なにかと理由をつけて家に帰ろうとせずにダラダラ仕事をする人もいます。
家に帰りたくない理由で考えられるものは、主に2つです。
- 家族と上手くいっていない
- 家に帰ってもやることがない
家族と上手くいっていない
「家族と上手くいっていない」は少々やっかいです。
たとえば母と娘の絆が強いなど、女性が強い立場にある家庭では、父親は疎外感や孤独感を感じることも多いです。
家に帰っても居場所がない…そうなると、仕事してる方が楽しいし、お金も貰えるし、残業をした方が得じゃん?って思考になって、進んで残業をするようになってしまいます。
なにがやっかいかと言うと、『家族がいて、年頃の子どもがいる中間管理職の人』に多い傾向にあることです。
後述しますが、若い人が残業を強いられる原因は上司によるものが大きいので、上司がバリバリ残業する人だと配下社員まで影響が出てしまいます。
残業ありきのオーバーワークが常習化してしまったら…最悪ですね。
家に帰ってもやることがない
家に帰ってもやることがないから、意味もなく残業をする人も実際にいます。
私が以前働いていた職場の先輩が、まさにそのタイプでした。
帰ってもやることがないから、仕事が趣味・生きがいみたいになって、理由もなくダラダラ会社に残るタイプの人です。
仕事も全然しないし、残業ばかりして周りに悪影響を与えるだけでなく、残業代もしっかり貰ってて、会社にとっても迷惑な話ですよね。
仕事が好きで好きでたまらない
夜遅くまで仕事をするのも苦じゃないくらい、仕事が好きで好きでたまらない、という人も実際にいます。
1つの物事を自分の力で解決したときの達成感や悦びは、仕事のやりがいにも繋がり、仕事を充実させるために大切なことです。
本当に好きなことを仕事にできている人は、この達成感がある意味ヤミツキになっている状態とも言えます。
もちろん、会社の定時間という“与えられた時間”で仕事を終わらせる人も多いですが、仕事が好きで好きでたまらないと、残業時間の概念が盲目的になりがちです。
たとえ残業が苦じゃないとしても、仕事は定時までを基本にして進めてほしいものですね。
残業する人=仕事ができるという勘違い
私自身、普段会社で過ごしていても、まだまだ『残業する人=仕事ができる』という考えが根強く残っているように感じています。
ただ、これは単純に個人の感情に起因するものばかりではないと考えられます。
経験を重ねて、できる仕事が多くなるほど、新しい仕事(できる人が少ない仕事)をどんどん任されるようになります。
そうなると、残業をしないと回らないような仕事量になってしまって、必然的に残業時間が増えてしまう結果となります。
ある意味『残業する人=仕事ができる』という思考は、起こるべくして起こるとも言えますね。
これを『残業している自分=仕事ができる人だ』って“悦”に浸ってしまうと、残業を擁護するような考えになってしまうのではないでしょうか。
1つだけ言えるのは、『残業する人=仕事ができる』という思考は完全に誤りです。
正しくは『仕事ができる分、残業も多くなってしまう』ですよね。
この思考の違いは大きいです。
残業したい人がいることで起こる問題
残業したい人がいることで起こる問題は、大きなところで2つ挙げられます。
- 残業したくない人が帰りづらい
- 無駄が発生する
それぞれ、内容を深掘りしていきます。
残業したくない人が帰りづらい
長時間労働が問題視されているとはいえ、まだまだ昔ながらの風潮が根強く残っている会社も多くあります。
その典型的な例の1つが『まわりの人たちが残っていると帰りづらい』です。
同じチームで仕事をしていて、ある1人は毎日長時間残業、ある1人は毎日定時退社だったら、会社の偉い人たちの目にもとまりますよね。
仕事の効率化を徹底して仕事を早く終わらせるのは大変ですが、ダラダラ時間をかけて仕事をするのは簡単です。
「残業しない派」と「残業したい派」に分かれたとしたら、圧倒的に「残業したい派」の方が強いでしょう。
他の人はみんな残業しないけど、私はお金が欲しいのでいっぱい残業してるんです!
…なんて言えるはずもありません。
なので、「残業したい人」がいると、結果的に「残業したくない人」が巻き込まれるかたちになることが多いです。
無駄が発生する
会社にとっての無駄…残業代ですね。
36協定では「残業は月に45時間まで」「45時間を超えるのは年6回まで」と制限されています。
36協定の範囲内だからといって、45時間を超えないギリギリの時間に残業時間を調整するようなヤツが実際にいます。
今月は残業44.75時間だからギリギリ大丈夫だった!
っていうセリフを、私はリアルに何度も聞いたことがあります。
やっかいなのが、中堅層(上司ではなく先輩にあたる人)に多い傾向にあることです。
ちゃんと生産性が高い仕事の進め方をしていれば100歩譲ってまだ良いですが、こういった傾向にある人は大概、仕事の生産性もよくないです。
残業代を支払うのは会社ですが、出処はすべての社員が出している売上です。
ダラダラ仕事をする人は、会社にとってもチームにとっても無駄でしかありません。
残業代よりも自由な時間という価値
私は、残業して得るお金よりも仕事が終わった後の自由な時間に価値があると考えています。
同じように今の若い人たちも「自分の時間」を大事にする傾向が強いように思います。
とはいえ、100人いたら100通りの人間がいるので、会社で働くすべての人が同じ考えを持つなんてあり得ないことです。
残業に対する考えとかも人によってそれぞれ違うし、この記事を読んで共感する人もいれば、不快に感じる人もいるかもしれません。
でも、1人でも多く「仕事終わりの自由な時間」の価値を大切にできる人が増えたら、世の中の会社はもっと働きやすくなるんじゃないかと思っています。
世の中には残業代が出ない会社もありますし、本当は残業をしたくないけど残業をしている人もたくさんいます。
多くの人が「会社から理不尽な長時間労働を強いられているんだ」と被害者的な考えになってしまいがちですが、経営者も同じように『従業員の残業を減らしたいけど減らせない』というジレンマに悩まされているかもしれません。
結局は、労働者も経営者も含めたすべての人が根底から意識を変えていかないと、長時間労働は永遠になくならないと思います。
世の中から無駄な残業が減っていくのを祈るばかりです。
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